筆界特定制度がスタート |
up date : 2006/3/3 |
2006年1月20日より、筆界特定制度がスタート。これにより、解決が困難とされる境界問題が比較的短期で、解決する可能性が出てきた。
<境界の紛争は深刻>
境界位置が不明確なことから来る境界紛争は深刻になりやすい。
少しの食い違いでも、不明確のままでは、欠陥土地として事実上売却できないし、隣接者との争いなので、上手に解決しないと、近所づきあいまでがうまく行かなくなる。
従来は、徒事者間で確認できなければ訴訟が必要であった。訴訟としては、境界確定訴訟か、所有権確認訴訟を起こさなければならないが、これらはいずれも、訴訟のなかでも時間とエネルギーがかかる難事件の一つとされている。
当事務所の経験からも、これらの訴訟は、通常の訴訟の5割り増しの時間がかかる。 通常の訴訟の一審の審理期間は、平均10月なので、これらの訴訟は、1年以上かかることを、覚悟しなければならない。
このように、境界の確定には、多大の時間とエネルギーが必要なので、今般、境界の紛争をより短期に、かつ簡便に解決する官製のADR(訴訟外代替解決手段)として、筆界特定制度が導入されたのである。
<筆界特定制度とは?>
法務局の筆界特定登記官が行うもので、訴訟ではない。簡便な手続きにより、6ヶ月以内に結論が出されることが期待されている。
そのために、外部専門家(土地家屋調査士、弁護士、司法書士等)から筆界調査委員が選任され、これらの者による調査がなされ、その調査結果に基づいて筆界特定登記官が筆界特定を行う。
ここでの調査は、土地の測量や実地調査関係者からの聞き取り、資料提出等をもとに行われ、ひつようであれば、土地の立ち入りも出来ることになっている。従ってかなり信頼度が高いことが期待できるが、それでも、その結果に不満であれば、あらためて訴訟を提起することになる。筆界特定は最終確定ではないのである。
筆界特定の記録は、法務局に保管され、後に訴訟になれば、裁判所は、法務局に記録の送付を依頼できることになっている。
<筆界特定制度を有効活用するために>
このようにその結論は信頼度が高く、これで解決ということも多いであろうし、出来れば、訴訟に至らず、これで解決にしたいものである。
筆界特定制度を使わず、最初から訴訟を提起してもいいのだが、この制度の使い勝手がいいことが確認できれば、まずは、この制度が利用されよう。
とはいえ、筆界特定制度の申請をするに当たっては、専門の弁護士に依頼するのが絶対必要である。境界紛争に関する自分の主張を明確にして、それを裏付ける資料を整理して提出するのは、かなり高度な知識と経験を必要とするし、さらに、これらの作業を、訴訟の場合より集中的に対処する必要があるからである。
筆界特定の関係人とされ、防御しなければならないときも、同じく、弁護士の支援は絶対必要である。
|