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中堅・中小企業の海外展開のイロハ

第1部 海外展開の第一歩
(1)目的を明確に
  1. 何ために進出するのか

    国内での対策と、どちらがベターか?
    何を目指すのか。
    ビジネス環境の違いを理解しているのか。
    進出後の事業計画は明確か。
    資金の手当ては、出来ているのか?
    だれが出向するのか?

  2. 税務戦略ができているか。

     環太平洋戦略的経済協力機構―TPP、ASEAN経済共同体―AEC、北米自由貿易協定NAFTA、各国間のFTAなど、自由貿易協定は、企業の国際戦略に大きな影響を与える。
     これらの適用国間では、域内の部材・加工との貢献が70%程度の製品だけが、ゼロ関税となるような運営となる。域内に生産拠点を持たないと、取引から排除されることになる。

  3. 基本形の工場進出でチェック! 他の進出の仕方の参考になる。

    • 必要なコンサルタントの確保。
    • 税務、法務の専門家の確保。
    • 販売先のマーケティングは確かか。
    • 進出予定地は適地か?
      雨季、乾季で検討。
    • 部材、原料の必要量は確保できるか。
      操業開始したら、部品不足で、日本から毎日空輸という例もある。
    • 輸送ルートは確実か。
      近くの港の喫水が浅く、大型船が接岸できないという例もあった。
    • 電気、水等のインフラは確かか。
    • 現地の人材の確保(質、量)は大丈夫か?
    • 出向させる人材は確保できるか。
    • 資金の手当は、できているか。
    • 各種許認可は大丈夫か。
    • 経済活動の規制は、確認しているか。
    • 外資の出資規制はクリアしているか。
    • パートナーは、信用できるか。
  4. 税務のチェックは重要

    • TPP、FTA

(2)進出の仕方はさまざま!
  1. 単なる輸出貿易のとき

    • ビジネス相手は、代理店(agent)か、販売店(distributor) か?
      1. 代理店の場合:代理店を通し、直接消費者に売る。在庫リスクを負う。
        撤退のための、契約解除権を保留すべし。
      2. 販売店の場合:販売店にうる。在庫リスクを負わない。   
        独占的販売権を付与する時は、最低販売数をさだめ、テリトリーと期間を限定。
    • 最初は、在庫リスクを回避する販売店方式が安全!
    • 全ての海外進出で、貿易は必須
      工場進出でも、原材料の確保、製品の販売で貿易が必要。 例:ASEAN経済協力体AECでは、ASEAN域内で原材料を70%調達しないと、AECでの特権は享受できないのが原則 工場の操業を開始したが、部品が足りず、毎日日本から空輸したという例あり。
  2. 工場進出のとき

    工場団地か、単独進出か?

  3. 小売り、飲食店

    3店以上は禁止などの、行政規制に注意。
    衛生管理の規制に注意。

  4. サービス産業−ホテル、娯楽、清掃業、有料駐車場、運送・配送、賃貸業、整備・修繕、広告など

    • 許認可の条件など、行政規制に注意。
    • 日本で成功したビジネスモデルは、発展途上でも展開可能
  5. インフラ整備

    • 土木・建設会社の活躍の場は大きい。
    • 日系の工場の建設、補修などに、需要多い。
  6. 医療、介護

    • 介護のノウハウの需要大きい。
    • 美容整形の医療ツアーなどがあり得る。
  7. その他


(3)事業計画
  1. 事業計画は綿密に作成。5年分くらいは必要。

  2. 事業計画作成時の注意点

    • 現地のパートナーが重要
    • アドバイザーの確保
      現地の法制度、税務・財務の調査。
    • 原材料の確保、販路の確保、物流の確保、輸送路の確保
      クロスボーダーになることを忘れずに!
    • 電気、水質、エネルギー源の等のインフラの確保
      雨期、乾季、台風期などの状況のチェック
    • 人の確保(現地の人材の確保、日本から誰が出向者するか)
    • マーケティング充実
    • 日本のノウハウが生かせるか
    • マネイジメント体制の充実
    • 開設時と運用開始後のそれぞれで、必要資金の確保方法
  3. 相手の国を知ること

    • ターゲット国がきまったら、その国の本を10冊くらいは読む努力が必要。
    • 商習慣のちがい
      国民性の違い
      文化、歴史を知ること
      宗教を知ること
      ライフスタイルのちがい
      治安はどうか?
      気候風土は?
       災害の危険性に注意
         タイでは、工場団地が水没した!
  4. 法規制を知ること

    • 会社法:定款改正など重要事項は総会の議決権の4分3必要なところは多い(アジアで、日本と同様に3分の1でよいところは、韓国、台湾、カンボジア、ラオス、フィリピンくらい)
    • 取引法
    • 税法:タックスヘイブン課税、移転価格課税に注意。配当、利子支払い、財産処分時の源泉課税に注意! 
    • 外資規制:会社への出資で、外資が49%までという国が多い。パートナーが必要となる。
    • 事業の許認可
    • 労働法:労使問題は、日本よりもシビアになると思っているべきである。
    • 知財:自分の技術やアイディア、デザイン、商標の保護が重要
    • 消費者保護法
    • PL法
    • 独禁法、不正競争防止法:外資に厳しいことが多い。
      など

(4)現地情報はどこで確保するか。
  1. 収集場所

    1. JETRO:最も効果的。様々な情報を確保できる。基礎資料は、ここで確保する。
      JETROの事務所がある国も多い。
    2. 中小企業基盤整備機構
      海外支援担当窓口がある。
      *1、2では、コンサルタントを紹介してもらえる。
    3. 展示会:人脈も確保できる。情報収集の宝庫。
      これに参加して情報収集する事が、きわめて効果的。
      外国企業は、ここで積極的に面談を実行。
      資料、サンプル、デモ機などを用意。
      ※デモ機やサンプルを渡してはいけない。模造品が、出回ることになる。
    4. 銀行、商社
    5. 対象国の在日事務所(一種のアンテナショップ)
    6. website
    7. 新聞雑誌の募集広告(ex.海外プロジェクトの募集広告は貴重)
  2. 展示会では、外国企業は、そこで商談しようとする。日本は、資料を持ち帰るだけという例多いのは残念。英文資料、見本、デモ機を用意し、商談のきっかけをつかむべきである。

    ※見本や事務機の持ち込みには、関税に注意。ATA条約(一時輸入通関の簡素化の条約)があり、一時通関のための、ATAカルネ(カルネ手帳)を発行してもらうこと。日本商事仲裁協会JCAAで扱っている。

  3. 自社の英文サイトの充実

    日本語サイトの翻訳では不可。日本式は、トップページに書きすぎ。
    海外進出では、メーカーでも、自分のアピールのために必要。
    取引を考える相手企業は、必ずサイトで相手を知ろうとする。

  4. ネットワークの構築

    海外展開では、グローバルなネットワークが必要。
    常にネットワークを広げる努力−既存の知り合いだけに頼りすぎないこと。
    展示会等に出店、参加しネットワークを広げる。


(5)拠点の確保
  1. 海外に拠点を持つか?

    拠点は、出張所か、支店か、海外子会社か

  2. 駐在事務所(出張所)

    営業活動・商取引は不可。
    営業活動をしなければ、課税無し。駐在事務所(出張所)は、まだPEでない。
    ※PE(恒久的施設。Permanent Establishment ) 
    駐在所では、銀行口座、不動産賃借りができないことがおおい。

  3. 支店

    登記は必要。営業活動をするので、現地で課税される(日本親会社の申告で調整)
    ビジネスの債権債務は本社−日本の本社が支社の責任を全面的に受けるので、リスクが大きい。次の支社がベターなことが多い。

  4. 現地子会社(支社、現地法人)

    本社とは別に、独自に課税される。
    取引関係等、法的な責任は、日本の本社から分離できる。
    現地進出の基本形である。

  5. 国外持株会社

    • 例えば、外資のフレンドリーなシンガポールに中継国を持ち、ASEAN諸国に展開することが効果的なことが多い。
    • タックスヘイブン税制、移転価格課税などの税制に注意。

(6)貿易実務をマスター
  • 工場進出でも貿易はつきものである。原材料は日本の含め、海外から取得し、製品の販路は、製造国外の売りだすことが普通だからである。
    サービス産業等の海外展開等でも同じである。
  • 海外展開をするには、貿易実務に熟達しておくことが必要である。
  • 実際は、「乙仲」(乙種仲立ち業)に頼むことが普通であるが、自社内でも、貿易 担当者を養成することが必要である。
  • 輸出入を商社に全面的に任せることも可能であるが、自分で実行するかどうか、戦略的に考えるべきである。
  1. 貿易の引き渡しと費用負担(危険負担)、決済、運送費・保険料の負担

    危険負担の例:船積み時に、コンテナがクレーンから落ちて、海に落下したとき、誰が危険を負担するか?

    • INCOTERMS2010で決まる。
      ※インコタームズ(Incoterms)とは、国際商業会議所(ICC)が制定した貿易取引条件とその解釈に関する国際規則(International Commercial Termsの略)

    <在来船用語>

    船側渡 FAS(Free alongside Ship)船側に貨物が置かれたとき引き渡し
    本船渡 FOB(Free onboard) 本船船上に貨物が置かれたとき引き渡し
    運賃込 CFR(Cost and Freight) 引渡同上 運賃込み
    運賃保険込 CIF(Cost, Insurance and Freight) 引渡同上 運賃保険込み

    <コンテナ・空輸用語>

    EXW(Ex Works) 輸出国の工場・倉庫引渡 売手通関義務無し
    FCA(Free Carrier) 引渡同上 通関義務あり 売手通関義務
    CPT(Carriage Paid to) 引渡同上 売手通関義務、運送賃負担
    CIP(Carriage, Insurance Paid to) 引渡同上 売手通関義務、運送賃・保険負担
    DAT(Delivered at Terminal) ターミナルで荷下し買手の処分下で引渡(通関前)
    DAP(Delivered at Place)  仕向地で荷下し買手の処分下で引渡(通関前)
    DDP(Delivered Duty Paid)  仕向地で荷下し買手の処分下で引渡(通関後)

  2. 貿易決済

    • 取立手形B/C(Bills for Collection)利用
      @.信用状L/C(Letter of Credit)付き 銀行の支払保証が有るので安全
      A.L/C無し 支払時書類渡 D/P(Documents against Payment) 
            引受時書類渡しD/A(Documents against Acceptance)
      ※D/Aでは、手形が支払われるかのリスクが残る。
    •   
    • B/C無し
      @.送金小切手D/D
      A.郵便での銀行間決済 M/T(Mail Transfer)
      B.電信での銀行間決済 T/T(Telegraphic Transfer)
      B.決済代行会社 Paypal 手数料高い

    ※先払いすると、品物がこないリスクがある。少なくとも初回は、ボンド積ます。
    ※最近、小型の物品は、T/Tで決済し、国際宅急便で品物を送るという例多い 。
    ※為替リスク対策:円建て取引にする。 外貨先物予約(TTB)を利用。
  3. 貿易保険(NEXI等)

    ※梱包強度が弱いと保険おりない。
    ※木材梱包材の薫蒸が必要。

  4. 乙仲(乙種仲立業。混載業者)の利用

    乙仲:海運組合法に基づく、海運貨物取扱業者。定期船貨物の取り扱いをする。貿易実務を、乙仲に委託することが多い。

  5. 禁輸国(北朝鮮)、禁制品(武器関連。麻薬、アスベストなど有害物質)に注意

    自国製品が禁製品でないか、JETROや業界団体で確認すること。

  6. 貿易決済の方法・L/C(信用状)決済の仕組み
    以上をまとめれば、流れは次のようになる。

    1. 輸入者  → 開設銀行(信用状発行依頼)
    2. 開設銀行 →(審査)
    3. 開設銀行 → 買取銀行(信用状発行)
    4. 開設銀行 → 輸出者(信用状到着通知)
    5. 輸出者 → 保険会社(保険付保)
    6. 保険会社 → 輸出者(保険証券発行)
    7. 輸出者 → 船会社(貨物船積み)
    8. 船会社 → 輸出者(船荷証券(B/L) 発行)
    9. 輸出者 → 買取銀行(買取依頼(手形等書類))
    10. 買取銀行 → 輸出者(輸出代金支払い)
    11. 買取銀行 → 開設銀行(手形等書類送付)
    12. 開設銀行 → 輸入者(手形等書類提示)
    13. 輸入者 → 開設銀行(手形決済)
    14. 輸入者 → 船会社(船荷証券(B/L)提示)
    15. 船会社 → 輸入者(貨物受け取り)
    16. 開設銀行 → 買取銀行(手形決済金支払い)
      (※事故があれば)
    17. 輸入者 → 保険会社(保険証券等提出)
    18. 保険会社 → 輸入者(保険金受領)
  7. 貿易決済の方法・D/PとD/Aの仕組み
    以上をまとめれば、流れは次の容認になる。

    1. 輸出者  → 保険会社   (保険付保)
    2. 保険会社 → 輸出者    (保険証券発行)
    3. 輸出者 → 船会社     (貨物船積み)
    4. 船会社 → 輸出者     (船荷証券(B/L)の発行)
    5. 輸出者 → 輸出地銀行   (手形取立を依頼)
    6. 輸出地銀行 → 輸入地銀行 (荷為替手形及び船荷書類送付)
    7. 輸入地銀行 → 輸入者   (船積書類・手形等書類引き渡し)
    8. 輸入者 → 輸入地銀行   (手形決済又は手形引受)
    9. 輸入地銀行 → 輸出地銀行 (荷為替手形決済代金支払い)
    10. 輸出地銀行 → 輸出者   (輸出代金支払い)
    11. 輸入者 → 船会社     (船荷証券(B/L)の提示)
    12. 船会社 → 輸入者     (貨物受け取り)
      ※事故があれば
    13. 輸入者 → 保険会社    (保険証券等提出)
    14. 保険会社 → 輸入者    (保険金受領) 

(7)国際契約と国際取引の紛争

契約は厳格にすること。国際取引で、口頭の約束はないと同じである。常に専門家に関与してもらうこと。

  1. 準拠法と管轄

    • 準拠法を譲っても、管轄は日本にすべき。
    • 発展途上国で戦ってはいけない。自国企業に有利に判決するリスクが大きい。
  2. 仲裁か裁判か?

    • 仲裁を進める人が多い。しかし、仲裁は、請求額が1億以上でないとコスト的に合わない。仲裁人3人分の手数料を負担する必要が有るので費用が多額になる。請求が1億以下では、裁判で決着をつけることを考えざるを得ない。
    • シンガポールの商事裁判所は便宜。コストは安く、日本人裁判官がいる。
    • 国際契約は、原則としてウイーン売買条約が適用される。
    • しかし、ウイーン条約は国内法と異なることが多いので、契約上排除する特約も少なくない。
      ex.瑕疵担保責任:ウイーン条約は2年だが、日本の商法(526)は半年
  3. 外国判決、外国仲裁決定の執行

    • 外国判決、外国仲裁決定を日本で執行するためには、日本の裁判所で執行判決を受ける必要あり(民訴118,民事執行法22条6号、6号の2)。
    • 同じく、日本の判決、仲裁決定を外国で執行するには、対象国で執行判決を得て執行。
      例えば、中国は、ニューヨーク条約に参加しているので、仲裁は中国で執行判決を得て執行できるが、日本の裁判所の判決は、相互条約が無いので、中国で執行できない。
  4. 売り掛けの回収

    • 未払い売り掛けの回収は、国際間では困難。
    • しかし、各国に、成功報酬の債権回収業者が存在するのが普通なので、当該国内での売り掛け等の回収は、そこに依頼すると効果的。
      日本では、商事債権の回収代行は弁護士しかできないので、このような債権取り立て代行業者は存在しない。(サービサーは、債権を勝って自らの債権としないと回収できない)

(8)国際詐欺に注意
  1. 対価受領前のサービス提供、貨物船積みは、危険。
    ex.最初の注文は現金を先に支払ったりして信用させ、次は、大量注文して品物を受領後、遁走する。

  2. 対価受領前に、ノウハウ、技術資料、サンプル、デモ機提供・出荷をすると、対価がはいらずに模造品が出回るという例が少なくない。ことに中国は、要注意。

  3. B/L直送、船長託送、貨物引き渡し指示のL/Gの発行依頼は絶対に避けるべき。


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