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戦うM&A!! 弁護士が指南する、中堅・中小企業のM&A虎の巻

【第2章】 会社は売れる―廃業回避のため

中堅、中小企業では、後継者がいないため廃業を考えている経営者は多い。しかし、それは実にもったいないことである。廃業では、従業員は職を失い、蓄積した利益の多くは税金で持っていかれるだけである。
苦労の結晶である事業は、第三者に売れるのであり、売るべきなのである。

1.身内への事業承継も大変な作業だ! M&Aを考えよう

中堅、中小企業では、社長が高齢となっても後継者を確保することは難しい。子供たちが独立して自分の仕事を持っていると、親の仕事を継ぎたがらないことが多いのだ。
経済環境は厳しいし、変化は速い。父親の時代よりも経営ははるかに厳しいことが予想される。後継者は、父親以上の経営能力が必要とされる時代が待っている。無理して会社を継がそうとすることは、悲劇が待っていることも考えなければならない。
また、身内に後継者を確保しても、その株式を買わせる財源確保も大変であり、承継作業は、容易には終わらない。
中小企業では、親族内承継ができるのは6割程度で、その割合は毎年下がっている。実際、経営者の年齢が70歳を超えても後継者が決まっていない企業が、今でも全体の30%もある。
身内に承継できないため、多くの中小企業者は廃業を考えてしまうが、それは実に残念なことである。廃業を考えている中小企業のうち70%は、M&Aでその事業を売却出来るものである。ところが、さらにその半分の経営者は、自分の会社の事業が売却できるとは思っていないまま廃業しているが、これは壮大な社会的損失である。
経営者はM&Aで自分の事業は売れることを認識して、廃業でなくM&Aを選択すべきである。

2.突然、社長が亡くなったらどうなるか?M&Aも選択肢にすべきだ

事業承継は、生前に実行することが理想である。それをしないまま相続が開始すると、残ったものは大変である。
まず、亡くなった時点で会社に代表者が不在となるので、四十九日の法要を待たずに仮の代表者を選任しなければならない。
あわてて、奥さんが代表取締役会長、専務が代表取締役社長の昇格するようなケースが見られる。しかし、新社長が、後に、株をすべて買い取るようなことができないと、所有と経営が分離して上手くいかなくなることが多い。
長男を社長に据えたうえ、遺産分割協議に入ることも多い。この場合、長男が株式をすべて承継できればよいが、他の兄弟が納得しないことも多い。
遺言で株式の承継者を決めておけば、後の面倒は省けると決め込んでいる者も多いが、それでも、深刻な相続争いに発展する。相続人には遺留分があるため、株式以外に潤沢な遺産が無いと、紛争になりやすいのである。
実際、中小企業の株価は意外と高いことが多い。中小企業の経営者は、自分の報酬を削って内部留保に努めているので、不動産などの含み資産が大きいのだ。そのため、承継者が他の相続人の遺留分を買い取れないことが多いからである。
また、社長の会社への貸し付けは相続財産となり、未払い給料も相続財産となる。これらが多いと、後継者は他の兄弟の遺留分を買い取れず、深刻な相続紛争となることも稀ではない。
この様に承継に努力しても、膨大な相続税が課税され、経営困難になるという例もよくあることである。
さらに個人保証の問題が残る。個人保証は、法定相続分に従って分割して相続される。後継者が単独で相続できると勘違いしている者が多いが、実は、遺言や遺産分割協議書で後継者である長男が債務を全て承継すると決めても、債権者に対しては無効である。相続人は、法定相続分に応じて分割された債務を承継することになる。
この場合、承継者が銀行と交渉して保証を自分一人に付け替えられればよいが、後継者の信用力が不足するためそれに失敗することも多い。そうなると、他の兄弟は、保証を承継する以上株式も承継したいと主張し、企業承継自体がうまくいかなくなることが多いのだ。
遺産相続がうまくいかない時、経営が混乱し、せっかくの経営が行き詰ってしまうことも稀ではない。もめるぐらいなら、事業をM&Aで第三者に売却してしまった方が、解決が早いことも多い。

3.後継者によるMBOは容易ではない!準備が必要だ

中堅、中小企業の場合、身内に後継者がえられないときには、会社内の役員、従業員を後継者にすることを考える必要がある。それは、まさに、MBO(Management Buy-Out)である。 MBOは、大企業のだけのものではない。
この時の大問題は、役員や従業員が株式を買い取れる資金を用意することが難しい点である。大企業の場合のように、この事業を担保に融資を得るというLBOを展開することが不可能だからである。LBO (Leveraged Buy-Out)は、買い手が対象企業の資産や将来のキャッシュフローを担保に、ノンリコースローンで買収資金の全部または一部を調達することであるが、中小企業の場合、その事業が小さく担保価値が乏しいからである。
会社の本社や工場などの不動産が個人名義であれば、これを相続人が相続し、後継者が会社を承継して家賃を払う形で解決する手段もある。不動産が法人名義の時は、不動産管理会社と事業会社を分離し、管理会社を他の相続人が相続して解決する方法もある。これらの場合は、株価は不動産を含まないので高額にならず、後継者が株式を買取りやすくなるからである。
どうしても後継者が株を買い取れない時は、スポンサーを確保してスポンサーと共同事業で買い取ることを考えるべきである。スポンサーを確保できれば、中小企業でも、MBOは十分可能である。
ただ、中小企業のMBOでは、社長の個人保証を承継する必要がある。銀行と交渉して、保証の切り替えをする必要があり、それを可能にするだけの信用力のあるスポンサーを確保する必要があることを忘れてはならない。
とはいえ、後継者づくりは、すぐには成果が上がらない。時間をかけて選び出し育てあげなければならないが、それを実行しているところは少ない。また、長年専務として経営を支えてきたものを後継者にしようとしても、それがベストとは限らない。番頭としては有能でもトップとして優秀とは限らないからだ。また、営業マンとして力を発揮してくれたので後継者にしようとしても、営業マンとしての能力とトップの能力は必ずしも同一ではないのである。
これから予想される厳しい経済事情、変化の激しい経済情勢に対し、会社を運営していくには、今まで以上に経営能力を必要とする。後継者は、社長以上に能力がないと務まらない時代となっている。不向きな人間をトップに据えても上手くいかないし、本人のとっても不幸なことである。社内での後継者づくりは、無理は禁物である。
社内で後継者が得られなければ、M&Aで第三者に売却することに挑戦すべきである。

<実例>
A社は自社ビルで貸ホール業を営んでいたが、業績がはかばかしくないので廃業し、そこにテナントを入れて、賃料収入で生きていくことを決意した。ところが、役員、従業員から予想外の強い反対が出てどうしていいか判らなくなり、K法律事務所に相談した。
K弁護士は、M&Aで貸ホール業自体を売却し、買収先がこのビルのテナントとして貸しホール業を承継するスキームを作成し、貸ホール事業を買ってくれるスポンサーを探すこととした。これは、事業譲渡とMBOを組み合わせたM&Aのスキームである。
その後、地元の同じ貸ホール業者たるB社が名乗りを上げ、役員、従業員ごと貸しホール事業を買収し、そこで貸ホール業を承継することとなった。これにより、A社は事業を廃業して賃貸業者となり、従来の事業は、従業員付きでB社が承継することとなった。
もし、M&Aを考えずに廃業を強行すると深刻な労務問題を発生させ、労使ともに、大きな損失を被ったはずである。これは、中小企業でも、M&Aが有効に活用された、好例である。

4.廃業はするな!M&Aに挑戦しよう

以上の通り、後継者の確保が大変なので廃業を選ぶ中小企業も多いが、それはもったいないことであり、社会的にも大きな損失である。そのときは、M&Aにより、事業を第三者に売却することを考えるべきなのである。長年積み上げた自分の努力の結晶である事業は無駄に消滅させるもののではなく、それを売却し、活用してもらえる第三者に承継してもらうべきであり、それがM&Aなのである。
とはいえ、M&Aを成功させるには、慎重で綿密な準備がいる。M&Aに挑戦する以上、より高く売らなければ意味が無いが、営業の価値は、税引き後利益の4−5倍といわれる。まさに利益が出ている時が売りごろなのである。ところが、利益が出ている時は、欲が出て人に売りたくない。そして、売り上げが落ちた時に売ろうとするが、その時は高くは売れない。M&Aには、決断が必要なのである。
高く売るには、自分の事業に価値を見出してくれる買い手を探すことが必要である。しかし、そのような買い手を探すには時間がかかる。M&Aの業者に相手探しを依頼しても、見つかるのに1年以上かかると思ってよい。それくらい時間がかかるのがM&Aである。M&Aを成功させるには、時間が必要であることを知っておくべきである。
第三者に売却する時、同時に考えておかなければならないのは社長の老後の設計である。売買代金だけでは不十分ということも多い。
不動産がある場合は事業だけを譲渡し、もとの会社は不動産を所有して管理会社として賃料を収入源とする形態は効果的である。これだと町工場で不動産が唯一の財産というケースでも、M&Aで、社長の老後を確保できる。
事業の譲渡後も。社長が一定期間役員や顧問として残るというスキームもよく使われる。むしろ実際は取引先の維持のために、居てもらったほうがよいという場合も多い。一石二鳥のM&Aとなるわけである。

<実例>
Aは自動社の部品を製造する町工場を有するA社を経営してきたが、親会社の海外展開により売り上げは激減していった。子供たちは皆一流企業に就職して後を継ぐ者はいない。となれば、自分の代で廃業せざるを得ないと覚悟していたが、心配なのはまだ30代、40代の熟練工たちであった。彼らの転職先を探すのは困難が予想された。そこで、K法律事務所に相談した。
K法律事務所の努力で、アメリカ企業に部品を納入している中堅メーカーから買収の話が飛び込んできた。そこの技術が自分達の納入する部品の技術と共通点が多く、技術の価値を評価しての買収の申し出であった。
技術の継承のため、最低5年間はAを顧問として依頼することも同時に約束された。これにより、A社の技術の熟練工の承継に成功したほか、社長のA自身の老後も確保されることとなった。
本件でAがM&Aの決意をしなかったのなら、A社の技術は永久に消滅し、熟練工は失職し、Aの老後は厳しいものになったはずである。M&Aは、多くの者の人生を安泰なものにさせることが出来る極めて効果的な手段なのである。

5.廃業すると財産を税金でもっていかれる!M&Aを考えよ

廃業となると、会社を解散して清算手続きをすることになる。清算では財産の処分が必要となるが、その時の利益は法人税の対象となる。さらに、残余財産の株主への分配は、配当所得とみなされる。この場合、総合課税なので最高税率は50%である。これでは、長い間に蓄積した努力が、税金で持っていかれてしまうことになる。
他方、M&Aによる株式の譲渡では、分離課税であり株主個人に対して譲渡益の20%だけである。
税金の負担を考えれば、中小企業者は、廃業よりもM&Aに挑戦すべきなのである。
ことに、内部留保に努めてきた会社ほど、廃業は、損になることを知るべきである。

6.廃業で財産は残るか?残らなければM&Aを考えるべきである

中小企業は、利益の多くを不動産に代えていることが多い。ところが、その不動産は、価格の減少が激しい。いつの間にか、オーバーローンになっていて、清算すると借金だけが残るというケースもまれではない。
会社に債務が残るということは、社長の個人保証も残り、子供たちがそれを相続することを意味する。最悪の時は、会社は破産で清算し、個人保証部分は、相続放棄で処理せざるを得ないということにもなる。
この様な事態を避けるためには、事業が継続しているうちに、M&Aで、事業部分を売却し、現金化しておく必要がある。廃業してからでは、万事休すということになるのだ。

<特許だけの売却>
アメリカでは、企業から、特許を買い取って、これを必要とする企業に売却したり、特許違反を見つけ出して、訴訟を起こし、実施料を獲得するようなビジネスが盛んなようだ。弁護士が参入しているとも聞く。
M&Aには至らなくても、もっている特許を売却することは考えるべきである。とは言え、これを売却すると言っても、日本の場合マーケットが整備されていない。まずは、特許を買い取るビジネスが起こっても良いはずである。

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