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【第5章】 M&Aの様々な展開
1.業務提携というオプション

完全子会社までせずに、業務提携というチョイスもある。方法も提携契約だけのものと、資本投下し株主となるものとがあり、後者には、一方的な資本投下と相互に株式を持ち合う形式のものとがある。
共同での研究、技術開発、販路や素材の共同仕入れなどを目指した業務提携も多いが、将来の買収を見据えた提携というケースも多い。後者の場合は、業務提携をしながら、相手企業の業務内容の調査、あるいは、買収や会社統合の可能性の調査などをすることとなる。
将来の統合を目指した業務提携の時には、株式の取得でなく、新株予約権を取得するという方法もある。あらかじめ決められた期間内であれば、あらかじめ決められた金額で、株を取得できるというメリットもある。不都合とあれば、行使しなければよい。

2.ホールディングカンパニーがM&Aの主役へ!

日本のモノづくりは、中小企業が担ってきた。ところが、その中小企業メーカーが、今危機状態にある。
産業の空洞化の中で系列が崩壊し、一気に販路を失うという例は日常茶飯事である。マーケットの縮小の中で、経営に行き詰っているところも多い。町工場が崩壊すれば、そこで、培われた技術は、永久に消滅することになる。
しかし、世界を見渡せば、その技術を渇望しているところは山ほどある。結局、需要と供給が、出会いの機会を得ないまま時間だけたっているという現実がある。この悲劇を解消する手段は、販路を持つ企業とメーカーが協業することである。これを可能にするのが、M&Aである。この場合、メーカーと販路を持つ企業は、業種も企業体質も全く異なるはずである。これが合併することは現実的でないし、親子関係のように上下の関係になるのも、有害無益である。
メーカー同士がM&Aで効率経営を目指しても、異なる企業が融合するのは、容易ではない。この時も、効果的なのは、ホールディングカンパニーである。
ホールディングカンパニーは、中堅、中小企業のM&Aにおいて、もっと活用されるべきであり、その主役になってもいいはずである。

3.投資というM&A

会社を買い取って、その会社の収益を投資対象とするM&Aもありうるし、国際間では、よくあることだ。
経営は人に任すので、経営と所有が、明確に分かれるパターンである。投資家が、信頼できる経営陣を送り込むこともありうる。
中国資本によるスウェーデンのボルボもサーブの買収、インドのタタ財閥によるジャガーもミニクーパーの所有も、この一例である。これらは、大企業の例であるが、日本の中堅企業も狙われている。
当事務所には、中国のファンドから日本の技術力のある中堅、中小企業を買いたいとのオッファーがきている。日本の企業で生産させ、その製品を海外に売り込みたいという。ことに、アメリカ市場に売り込むためには日本ブランドが好都合なようだ。これも、経営は、従来の日本人に任せることが前提である。というより、技術力ある従業員を丸々ほしいというパターンである。

4.ファンドによるM&Aの活躍− 二段構えのM&A

投資ファンドがM&Aのプレイヤーになることは多い。投資というM&Aの一展開であろう。
一般の民間の投資ファンドは、単独でM&Aを行うということは稀である。なぜなら、投資利益を得て、3年、5年、あるいは、7年後には、投資主に償還しなければならなければならないからである。買収後、経営能力なるものと、共同で、買収をする必要があるからである。
従って、ファンドがプレイヤーの場合は、ファンドの持ち分が更に転売されることを想定して、スキームを構成する必要がある。しかし、M&Aの中にファンドが入ることは、資金的には効果的である。
大企業や中堅企業のMBOには、ファンドが加わる例は多い。この場合、ファンドは、企業価値を付けて売却することを狙うわけであるが、売却にあたり再上場を狙うということも多い。
さらに、近年、公的機関や金融機関つくる事業承継ファンドの活躍も目立つようになった。この場合、運用期間が長く取れるので、スキーム作りも余裕が持てる。このようなファンドも期待したいところである。
いずれにしても、ファンドは、その性格上、値段交渉はシビアである。

5.クロスボーダーのM&A―三角合併

2006年の会社法導入にあたり、クロスボーダーM&Aとして三角合併が話題になった。外国法人が日本に子会社を設立し、日本のターゲットの会社を吸収合併するが、ターゲットの会社の株主には自分の親会社の株式を与えることにより、日本のターゲット会社を子会社にして買収するタイプである。
ヨーロッパ諸国は海外に資本投下し、人間も海外にがんがんでていくが、同時に外国資本が来ることも、外国人が来ることも歓迎する。 それにより、経済を活性化すると考えている。
日本の経済界は外国というだけで恐怖心を持ち、外に投資することも消極的であるが、外国資本が入ることには極端に閉鎖的であった。外国企業による三角合併に対しては、国が滅びるがごとく大反対したため、1年遅れでスタートした。
実例も少なく、今のところ、シティーグループによる日興コーディアルグループの完全子会社化ぐらいのようである。
しかし、日本には、優れた技術も持つ中堅、中小企業が、国内のマーケットが収縮する中で、外国に売るノウハウも意欲もないまま廃業するという例があまりにも多い。これらの企業を外国に売ることが出来れば、買った外国企業は、日本の優れた製品を外国に売ることが出来る。M&Aは、外国に売れないという日本の中堅、中小企業の弱点を補ってくれるはずである。

6.大企業が中小企業を買収―国内三角合併

日本の大企業は、機動的な行動が出来ず、中小企業の買収に向かない。決定権あるものが、責任を持って決めるという企業システムでなく、稟議制で、沢山のハンコが並ばないとことを決められないし、その前に、会議を繰り返して、みんなで決めるという形を取らないと安心できないという特異な体質がある。
何でも社長が決めるのが原則で、中間管理職は、社長の代理で決済するという韓国の企業とは、全く正反対である。欧米企業や中国企業でも、稟議などはなく、決定システムはシンプルである。
M&Aは、秘密裏に準備を進める必要があり、ことに、買収される側の秘密保持は絶対である。ところが、日本の大企業は、決定まで秘密保持をすることが不可能に近い。その場合に、活用すべきが三角合併である。
先ずターゲットの会社を、子会社に買収させるが、対価を親会社の株式をにして、買収後、そのターゲットと子会社を合併させればよいのである。
この手法を駆使して、もっと大企業による子会社買収が盛んになってほしいものである。

7.一部の反対株主排除―スクイーズアウトの活用

M&Aでは、その目的を達成するため、少数株主の株式を買い取って、100%株主になる必要がある時は多い。その時、株式の売却を拒否する少数株主から強制的に買い取って、其の少数株主に退席してもらう手段(スクイーズアウト)が、会社法に用意されている。
まず、二つ以上の種類株式を発行することと、既存株式を全部取得条項付種類株式にすることが必要であるが、そのためには、定款変更決議を株主総会の特別決議でおこなう必要がある。 この特別決議は、一回の株主総会で、同時にできる。
そして、全部取得条項付種類株式を会社が取得する特別決議を株主総会でする必要があるが、これも、同じ株主総会でできるはずである。
現行会社法では、この様に、一回の株主総会で三回の特別決議をすることにより、スクイーズアウトを実現できるのである。

<実例>
A社は運送会社であるが、同じ運送会社を株式買い取の方法で買収しようとした。ところが、10%の株式を持つ株主が、頑として株式を売ってくれなかった。株式をプレミアム付きで買い取る提案もしたが、「金の問題ではない」として、買ってくれなかった。
彼はもともと買収自体が反対であったので、今後も会社経営に協力する可能性は感じられなかった。
そこでK法律事務所に相談し、力ずくで買い取る決断をせざるを得なくなった。同事務所は、全部取得条項付種類株式を発行する方式で段取りをして株主総会を開催し、特別決議を経て、最後の10%の買い取りを実現した。

8.現金交付で一部の反対株主排除―課税されることに注意

会社法上の合併、会社分割、株式交換、株式移転では、税法上、税法適格でないと、M&Aをする意味が薄れることは前章で説明した。とはいえ、一部の反対株主がいる場合に、これらの者に対価として現金を支払って、株主から排除したくなるものである。
この場合、いま述べたとおり、一旦株式を交付しておき、全部取得条項付種類株式を活用して、スクイーズアウトすることも可能であるが、そのような遠回しな方法でなく、最初から、現金を支払って、追い出したいというケースも多いはずだ。
ただ、この場合、税法上不適格となり、譲渡会社に課税上の問題が生じる。適格であれば、資産は簿価で承継される。しかし非適格だと時価評価するので、譲渡益、譲渡損を計上し、課税されることとなる。欠損金の引き継ぎも出来ないこととなる。株主にも、キャピタルゲイン課税とみなし配当課税が生じてしまう。
国際的な会計の流れは、時価主義であるパーチェス法を用いる。しかし、人格の承継なら簿価で引き継ぐのが素直であり、簿価主義である持分プーリング法で不思議ではない。だが、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」では、2010年4月1日以降、パーチェス法で処理することとなったので、税法適格は、企業グループ内か、共同事業要件を満たす場合だけに適用される例外的な扱いとなった。
したがって、税法適格となるためには、合併や分割対価が株式のみであること、事業に関連性があること、主要な資産、負債が引きつがれること、常務以上の役員が引き継がれること、従業員の80%以上が引き継がれることなどが必要で、その要件は厳しい。M&Aのスキーム作りの時には、この点を織り込んだ慎重な設計が必要である。

<名義株の処理と株券紛失は厄介>
現行会社法では、会社設立時、発起人は1名でもよいが、平成2年改正前の商法では、発起人は7名必要だったので、名前だけ借りた発起人がいいた。しかも、発起人には株式の引き受けが必要だったので、出資したことにして、実際は出資していない株主が存在することが多かった。この様なものを名義株といい、実際は株主でないのに、株主として、株主名簿にも記載されている。
この様な名義株は、M&Aで譲渡するに当たっては、実質的な株主に変更しておく必要ある。手続きは、名義人の了承を文書でえておいて、取締役会で、名義変更を承認してもらい、株主名簿を、本来の株主に変更することになる。
この時、名義人が存命であれば問題は無いが、死亡して相続人が承継していると、事情を知らないので、株主としての権利を主張してきた、厄介なことが多い。譲渡会社は、この問題点をきっちりと解決していないと、M&Aの手続きを進められなくなる。
株券紛失も厄介である。今の会社法では、株券不発行が原則なので、定款で発行することにしていない限り、株券の紛失の問題は起こらない。平成17年の商法時代に設立していた会社で株券を発行している会社は、逆に定款変更をして不発行としていない限り、そのまま株券発行会社となっている。
株券が発行されていると、M&Aで株式を譲渡しようとすると、株券を交付しないと譲渡できない。ところが、株券を紛失している株主が結構いる。この場合、株券を再取得するには、株券喪失登録簿を作成して登録し、1年待たなければならない。
これでは、M&A全体の手続きにも差し支えるので、実務的には、総会の特別決議を経て、定款を変更し、株式不発行の会社になったほうが解決は早いであろう。

9.M&Aを嫌う外部勢力対策― Change of Control という盲点

建物にテナントとして入居している時、賃借権を無断で譲渡すると、無断譲渡として解除されてしまうことは、よく知られているが、株式を譲渡して、経営者が入れ替わった時にはどうなるのだろうか。賃貸人から見れば、実質的に賃借人が入れ替わったと同じで、無断譲渡といいたくなるはずである。この点は無断譲渡と同じとして解除を認める判例と、会社自体が入れ替わったのでないとして、そのようにみる必要はないという判例が出て混乱していた時期があったが、解除は認められないという最高裁判決がでて解決した。
株式の譲渡や、合併、会社分割をすると、賃貸人は解除できるというタイプの契約条項もよくみられるが、これも、最高裁判決により解除はできないということで解決しているとみてよい。
ただ、これらは、借地借家法の賃借人保護の精神が働いているからである。問題は、特許権その他の知的財産権において実施権、使用権が設定されている時に、株式の譲渡や、合併、会社分割がなされると支配権が変わるときである。このような場合、つまりChange of Control が起こった時に、権利が失効するという条項が契約書に記載されているが多い。Change of Control条項という。
これらの場合、借地借家法と違い、ことさら利用者を保護する規定はない。文言通り、無断ですると解除権が発生してしまうのである。実際問題、特許権等の権利が今までとは違う資本関係の者に利用されるということは、知財の所有者にとっては、無視できないことである。このような場合、Change of Control条項は、尊重されると考えるべきであろう。実務的には面倒であっても、Change of Control条項がある時には常に権利者の了解をとっておくべきである。
このChange of Control条項は、リース契約や貸付契約などにも使われる。これらの場合は、権利者にとって関心事は支払い能力だけなので賃貸借に近い。最高裁で、解除はできないとの判例が出る可能性は強いが、実務上は、個別に承諾を取っておいた方が無難であろう。

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