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民事再生、企業再生、破産、倒産とM&A

〜企業再生に法的手段は最後!〜

 企業経営に行き詰まり感じた時は、その原因を分析して、即急に対策を立てるべきである。その対策は、企業の深刻度に応じて選択することになる。
 深刻度が進んでいて、債権カットが必要でも、法的手段に頼らないスキームを考えるべきである。深刻度が高度となれば、法的手段をとるとになるが、その手段には様々なものがあり、民事再生は最後の再生手段である。
 どの段階でも、事業の再生のためには、M&Aは重要である。
 どうしても手段が無ければ破産することとなるが、それをチャンスとして再挑戦を考えるべきである。
1 企業の再建方法は様々
 企業の再建は、先ず売り上げを増やすことである。経費の節約は当然だが、いくら節約しても売り上げの増加をしなければ、再建は不可能である。
 また、M&Aも活用すべきである。事業体は余力のあるうちに売却し、力のあるところで、活用してもらうのが社会的に重要である。企業や営業体の売買だけでなく、業務提携、ポンサーとして支援をしてもらうなどの手法もある。
 企業として危機的な状態でも、収益を期待できる事業分野があれば、それだけをM&Aで売却し、残りは破産で清算するということも可能である。さらに、このM&Aと清算をまとめて、民事再生手続きの中で行うことも可能である。
 中小企業にとって、M&Aは、後継者がいないという時にも活用すべきものである。
(詳しくは、M&Aのコーナー参照)

2 民事再生法の限界と特定調停の活用
 民事再生法は、半年間で再生計画の認可までこぎつけなければないので、手続きは速やかである。しかし、手順が法定され、スケジュールを裁判所が決めるので、柔軟な処理ができない欠点がある。
 また、世間的には倒産として扱われるので、取引先の継続がうまくいかないことも多いので、民事再生法は意外と使い勝手が悪い。しかし、申し立てると弁済禁止の仮処分が出るので、取引上の支払いを一時的に止めないとキャッシュフローが確保できない場合には、強力な手段である。
 取引先の支払いを止めなければキャッシュフローが確保できるだけの余裕があれば、金融機関だけを相手に特定調停を申し立てることは効果的である。特定調停により、競売を止められるし、金融機関から債務免除を確保することも可能である。
 特定調停は、一般的には倒産とは扱われないし、取引先との取引に影響を与えないので、取引先の継続には問題を生じない。積極的に活用すべき手段である。
 また、M&Aの買主が銀行債権も取得するという方法の併用が可能なときは、買い手が売り主の社長の個人保証を放棄すれば、個人保証の処理も簡単に解決できることとなる。

3 担保権付き債権買取のM&Aは、効果的
 ゴルフ場や旅館、ホテルなど不動産が担保の時は、会社を買い取るとM&Aと並行して、銀行債権を担保不動産ごと買い取る方法がある。
 例えば、温泉旅館でのケースで、銀行借入れ5億円で、旅館の建物、敷地が担保に入っている。年間売り上げ2億円、不動産価値は8,000万円とする。これは債務超過状態で、銀行債権は不良債権化している。温泉地の旅館はこの様な状況に陥っていることが多い。
 この例で、この旅館をM&Aで買い取りたい場合、会社の株式はほとんどゼロ評価で買い取ると同時に、サービサーを通じて銀行債権を担保付きで買い取るという手法がある。代金は、不動産価値の8,000万円でOKである。
 銀行から見れば、貸し付けは不良債権化しているので、本来は抵当権実行しか回収方法はないが、抵当を実行して競売にかけても、とても8,000万円は確保できないで、売却に応じてくるのが普通である。

4 民事再生は企業再建の王道
 民事再生手続きは使い勝手が悪い面があることは前述したが、裁判所が全面的に関与するし、半年間で再生計画の認可まで行けるよう制度設計されているので、取引先の支払いを支払い停止命令により棚上げにする必要がある時は積極的に活用して、企業の再建に努めるべきである。
 民事再生は原則として債務者自ら再建をはかる手続きであり、経営陣は退任する必要はないが、管財人を選任し、管財人が再建を全面的に遂行する方法もある。
 役員や株主間で意見がまとまらない時は、管財人による再建が合理的なことも多いようだ。
 企業の再建には、会社更生法もある。会社更生法は手続きが複雑なため、規模の大きい大企業の再建に向いている。しかし、会社更生では担保権者も手続きに取り込めるので、金融機関を手続きの中に引き込む必要がある時は、中堅企業でも使うことを考えてよいであろう。
 なお、会社更生法では更生管財人が再建に当たるということに特徴があったが、最近の改正で、債務者自ら再建に当たることも可能となったので、活用の幅が広がっている。

5 破産は怖くない
 バブルの時期ころまでは破産というと社会の落後者のイメージがあったが、バブル後の経済の停滞の中で破産は稀な現象でなくなり、そのイメージは大いに変わった。また、多重債務者の処理の中で破産が多用され、どこにでもある社会現象となってしまった。
 従って、今や、破産のマイナスイメージは多いに薄まり、恐れる必要はなくなったと言えよう。
 企業の経営者は、経営が破綻すれば、恐れることなく会社を破産で清算すべきである。決断が遅れると、迷惑を与える範囲はどんどん拡大してしまうのだ。
 そして、自分も自己破産して、保証債務の免責を得て無借金となり、再挑戦すべきである。また、この場合、開始決定後の収入は全部自分で使えるので(破産の配当に回す必要はない)、例えば、知り合いの会社に顧問で雇ってもらって収入を確保し、再起の準備をするということも可能である。
 なお、個人の破産の場合、不利益はさほど多くはない。復権(免責と一緒に出る)まで会社役員になれないことと、破産が終結するまで郵便が管財人事務所に行ってしまうこと、終結まで海外に出るには裁判所の許可がいること、8年間くらいはブラックリストに載るので、クレジットカード等が組めないこと位である。
 なお、資格で仕事をする者は破産で資格が停止してしまうので、破産を避けて個人の民事再生手続きをする必要がある。



1) 民事再生法は、中小企業の再建、再生の強力な手段!
特長 自由再建 −− 民事再生法は、管財人でなく企業が自ら再建を図るものです。
  ・迅速    −− 半年間で再生計画を作成することを予定していて、迅速な手続きが予定されています。
民事 ・再生を成功させるのは早い決断が必要
  −− 半年間で再生計画を作成することを予定していて、迅速な手続きが予定されています。

2) 破産は、経済活動の中でやむをえないステップ!
企業活動をしていれば、破産はどんな企業も遭遇しうるものです。
経営者は早めに破産を決断して債権者や従業員に対する迷惑を最小限にすることを考えるべきです。
駄目になった企業は早めに清算し、新たな事業の挑戦をすべきです。

3) 個人保証に注意!
民事再生でも、破産でも別個に重要となるのは、経営者の個人保証です。
日本の銀行は中小企業に融資するときに社長等に個人保証を求めるのが通常です。企業は破産や民事再生で処理しても個人保証は、これとは全く別個のものです。
破産の場合は、個人も同時に自己破産の申請をし、その後免責を得て借金をゼロにするのが通常です。
民事再生の場合は、個人保証の処理は極めて専門的なものです。民事再生の進行に合わせながら対処していくもので、まさに弁護士の腕の見せ所というべきものです。

4) 早めに専門の弁護士に相談を!
民事再生が可能か、破産で対処すべきか、あるいは法的手段以外に他に打つべき方法があるか、これらは早めに専門の弁護士に相談すべきです。



6 企業の破産手続はどう進行するか
 破産の申し立ては、通常は、破産する会社が自分で行います。自己破産といいます。債権者から申し立てる場合もありますが、例外です。
 申し立てると、通常は1週間以内に裁判所が破産手続きの開始決定を行います。東京地裁の場合、翌週の水曜日の夕方5時に、まとめて開始決定を行うのが原則です。
 開始決定があると、同時に破産管財人が選任されます。管財人は弁護士が選任されますが、申し立て代理人とは別の弁護士です。
 同時に、申し立て時に裁判所に提出された名簿にある債権者には、裁判所から開始決定の決定書と、債権届出の用紙が送られます。債権者は、自分の債権の内容を記入して提出します。これを受け、管財人が認否します。異議が無いと、その額で確定します。管財人に異議を出されると、それに応じない限り、裁判所に申し立てて裁判所に額を決めてもらうことになります(決定手続きと判決手続きを選べます)。この様な債権調査期日が終了すると、新たな債権届出はできなくなります。
 管財人は、破産者の全財産を管理、処分し、現金化します。これが終了すると、清算経費や税金を払った上で、配当手続きに入ります。

 銀行等が持っている抵当権等の担保権は、別除権として破産手続きとは別に競売等の実行ができます。担保権で回収できない部分のみ、配当の対象になります。実際は、不動産等の担保物は管財人が第三者に処分し、代金のうち担保部分を越えた部分を、配当のために財団に加えます。オーバーローンでも管財人は売却し、代金のうち5%程度を財団に寄付させるのが普通です。
 労働債権は、給料と退職金の3か月分は、財団債権となり、配当に先立って払ってもらえます。その余は、優先債権として、配当で優先されます。

 中小企業の破産手続きの大部分は破産のための経費や税金を払うと後は何も残らないため配当が不可能なことが多く、その場合は「異時廃止」として、配当手続きに入らず終結します。
 債権者集会は、通常一回で終わるのが大部分です。開始決定から4か月、5か月後に開催されます。管財人から報告を受けるのが主で、配当に対する決議権はありません。また、管財人として、まだすべきことが残っているときは、集会の続行期日が入り、続行されます。
 配当は、2−3%以下のことが多く、10%を超えるケースはまれです。

7 企業の民事再生手続きはどう進行するのか
 申し立てをすると、すぐに、弁済禁止の仮処分が出され、債権者への支払いが出来なくなります。ただし、小額の債権者への支払いは除かれます。また、このとき、監督委員が選任されるのが普通です。監督委員は、裁判所の代わりに、再生手続きを監視するものです。ただし、管財人と異なり自らは再生に直接は携わりません。
 民事再生は、債務者自ら再生に当たるのが原則ですが、例外的に、管財人が選任され、管財人が再生に当たることがあります。
 弁済禁止の仮処分は、これにより、再生会社にキャッシュフローを確保させるために行うのですが、取引先も含まれるため、取引先から取引をストップされる可能性があります。その後の取引は、監督委員の同意をえて、現金取引ベースで行えるようになるので、取引先にその旨納得させ、取引を継続してもらえるよう努力する必要があります。
 その後開始決定前に、債権者のために説明会を開くのが普通です。

 裁判所は、再生の可能性があるとみれば、再生手続きの開始決定をします。
 開始決定と同時に、申し立て時に裁判所に提出された名簿にある債権者には、裁判所から開始決定の決定書と債権届出の用紙が送られます。債権者は自分の債権の内容を記入して提出します。これを受け、債務者は認否します。異議が無いとその額で債権は確定します。異議を出されると、裁判所に申し立て裁判所に額を決めてもらうことになります(決定手続きと判決手続きを選べます)。債権者は決められた債権届出期日までに届けないと失権するので、注意を要します。
 再生債務者は、裁判所が定める期日までに、再生計画案を提出する必要があります。
 担保権は、破産と同じく別除権として再生手続きと関係なく実行ができます。そのため、再生に不可欠な財産(たとえば工場)が担保の対象であるときは、再生計画のほかに、担保権者と別除権協定を結び、返済条件を決めて、担保権の実行を控えてもらう約束を取り付ける必要があります。
 再生計画は、債権者集会で、債権額と債権者数のいずれについても過半数の賛成を得る必要があります。債権額の過半数は、銀行が占めているのが普通なので、事前に銀行と交渉し、銀行の賛同を取り付けるのが再生を成功させる鍵となるのが普通です。
 債権集会で賛成の決議をえると、そのあと、裁判所の認可を得れば、再生計画は成立します。あとは、再生会社が再生に向かって、努力することになります。その後、3年間、再生計画が実行されていくと再生手続きは終了し、あとの実行は当事者にまかされます。

 再生計画はさまざまなパターンがあります。
 債権を7割カットして、残りを10年分割というような場合は、分割は10年より長期にはできません。また、カットにより、免除益が発生して課税される恐れがあるので、評価損や繰越損失を利用して課税を回避する工夫が必要です。
 スポンサーが確保できれば、債権者の支援により、例えば8割カットして残りは一括弁済という例もよくあります。この場合、スポンサーのため、減資と増資をするのが普通です。
 スポンサーに別会社を設立してもらい、営業譲渡をするケースもあります。このとき、元の会社を再生計画により清算することも可能です。
 いずれにしても、再生の成功はスポンサー確保が決め手というケースが多いのです。スポンサーなしという例もありますが、その場合は早期に着手していないと再生は困難です。
 再生を成功させるもうひとつのポイントは、専門の弁護士に依頼することです。姿勢までの道のりは険しいので、専門の弁護士の指導は重要です。

8 倒産法制は、破綻処理でなく産業活性化のためのツール
 日本の倒産法制といえば、いうまでもなく破産法、民事再生法、会社更生法がその三本柱である。しかし、これら倒産法制は、一般には、「破綻」した企業の後始末のためにあると認識されている。民事再生法と会社更生法は企業の再建のための法制であるが、それでも実際は、一旦「破綻」した企業をいかに再生、再建させるかのツールとして利用されているのが実体である。
 しかし、民事再生法の母法となったアメリカのチャプターイレブンは、日本で言えば、まだまだ破綻からはほど遠い企業に対しても活発に活用されている。むしろ、M&Aの延長、あるいは、リストラの一環として活用されているといえよう。
 
 企業は同じ経営実態で永久に利益を上げることは出来ない。マーケットの実体、経営環境は、時々刻々に変化している。企業が活力を維持するためには、内部成長だけに頼れず、M&Aなどを活用し、営業譲渡や企業再編を駆使することも必要なはずだ。これらについては多くの方々が認識しているし実行している。しかし、そこに、民事再生法や、破産法を組み込むと、よりダイナミックに企業再編が可能となる。アメリカでは、チャプターイレブンがそのように活用されている。日本でも、そのような活用の仕方が研究され、実行されるべき時代に入りつつあると思われる。
 
 例えば、本体の事業そのものはしっかりしているのに、負債が多く、その返済に追われ、活力を低減させつつある企業も多い。これを、民事再生法を使って負債を大幅に低減させ、健全な企業体にする。あるいは、その事業自体を受け皿企業に譲渡し、負債を抱えた元の企業は破産で整理する。このように、病弊を、「外科手術」で切り去って健全な企業体に戻し、その上でM&Aの対象にする。
 証券化の手法もある。民事再生法で企業を再生するに当たり、スポンサーがいれば楽である。しかし、中小企業な場合、スポンサーを見つけるのは至難の技である。そこで、証券化が可能であればスポンサーに変わりうる。例えば、老舗型の企業の多くは不動産を持っている。工場や店舗、旅館などは、売れば債務は圧縮できるが、その後買い手から賃借できないと、その後の営業が出来ない。その際、SPCに売却し証券化できれば、問題は解決である。スポンサーに変わって証券化により資金を確保できるし、SPCから賃借も可能となる。さらに、債権譲渡特例法が整備されたので、将来の売掛債権を担保化することも夢ではなくなった。SPCを使った証券化の道が開けてきたといえる。

 これらの事業を貫徹するには、弁護士や、公認会計士、ターンアラウンドの専門家、証券化の専門家など、「プロ集団」によるチームを組むことが不可欠である。
 日本経済も、バブル後の混乱期は脱却したのだから、倒産法制も、この機会に破綻企業の救済のためだけでなく、「産業活性化のためのツール」として使われるようになって欲しいし、そのための「プロ集団」が育つことを期待したいものである。
9-1 深刻度が軽度の場合
・売上を増加さて、利益を増強する。
そのためには、新製品、新サービスの向上、ブランド力の向上、マーケティング力の強化、マネジメント力の強化が必要である。
・不採算部門を整理して、収益性を向上させる。 ・無駄な経費を省き、収益性を向上させる。 ・M&Aにより、多角化、規模な拡大、技術転移、海外進出などを図る。 ・新たな借り入れ、社債の発行、増資、補助金の獲得等による、財務力の強化をする。
9-2 深刻度が中程度―債権カットは不要  
(1)新たな借り入れ
・プロパーの借り入れ。 ・でなければ、信用保証協会付き融資 ・日本政策金融公庫融資の活用
(2)補助金の活用
・最近は、ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金、地域需要創造型企業・創業促進補助金、円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業、ベンチャー企業への実用化助成事業などが募集された。 ・今後も中堅・中小企業用に様々な補助金が用意されるはずなので、中小企業庁のホームページに注目しているべきである。
補助金等公募案内
(3)中小企業再生支援機関と認定支援機関の活用
1)認定支援機関と中小企業再生支援協議会による再生計画策定スキーム
・中小企業庁は、金融円滑法失効(2013年3月)後に備え、認定支援機関という制度を新設し、企業再生スキームの作成と実行支援をさせることにしている。 ・認定を受ける者は、金融機関のほか、税理士、税理士法人、公認会計士、監査法人、弁護士、弁護士法人、商工会、商工会議所、中小企業団体中央会、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士、司法書士、民間企業(コンサルタント) NPO法人 一般財団法人・一班社団法人 公益社団法人・公益社団法人など法人と個人が予定されており、最終的には、2万機関近くになると思われる。 ・認定支援機関のコアミッションは、経営の分析、経営計画の策定、経営計画実行のフォローアップを基軸に、次のものがある。
 1.資金調達支援
 2.創業・起業支援・新商品開発支援
 3.中小企業会計制度の普及
 4.販路開拓
 5.消費税転嫁対策支援
 6.企業間連携支援
・認定支援機関は、ITクラウド(支援ポータル)によるネットワークに参画し、情報交換を密にして業務を遂行することが期待されている。 ・経営改善支援センター案件
T.第一フェイズ
・再生支援協議会に経営改善支援センターを設置
・認定支援機関と金融機関が共同申請して、経営改善計画作成とモニタリング費用の助成を求める。
 (200万円上限、補助率2/3、但し売り上げ1億未満は100万円が上限、10億超えは、300万円が上限)
U.第ニフェイズ
・経営改善計画の策定と実行支援
・金融機関が債務免除できるので、債権カットが可能である。
*15年の資本性貸付(DDS)(破綻時に劣後、利子(低利、事務費様相当)のみ支払い、期限で一括返済、10年間は繰り上げ返済なく最後の5年は毎年20%ずつ普通融資へ)の利用もありうる。他に、5年以上の資本性融資あり(担保付もあり)。ここでの銀行のメリットは、資本性融資には引当金を積むが、残った普通融資は債務超過が解消すると、債務者分類変更し引当金無になること。 ・成功のポイント:売上、利益を拡大できる再生計画を立てること。
         そのため、多角化、海外展開、M&A、ファンドの活用などを考えるべきである。
・第二会社方式は活用の余地あり * 第二会社に事業を移し、旧会社は清算(特別清算)する。債権放棄に無税償却がある。第二会社は、資本性融資、ファンドの支援、M&Aなどで支援が必要である。
(4)日本政策金融公庫案件
T:経営支援型セーフティネット貸付(商工中金も)
・認定支援機関による事業計画策定支援を受けていること
・経営環境の変化などにより一時的に業況が悪化
・設備資金、運転資金
・貸付限度 720百万円
・貸付利率 基準利率−0.4%(雇用の維持拡大効果が見込まれる場合さらに −0.2%)
・貸付期間 15年以内

U:中小企業経営力強化資金融資
・認定支援機関による事業計画策定支援を受けていること
・新商品の開発又は新サービスの提供等により、新たな市場創出を図る
・設備資金、運転資金
・貸付限度 720百万円
・貸付利率 基準利率 −0.4%
・貸付期間 15年以内

V:その他
(5)保証協会融資の借換
・認定支援機関と金融機関の連携による経営支援を前提に経営改善をする。 ・保証料を減免する経営力強化保証を中心に、複数の借入債務を一本化し返済負担を軽減する。 ・日本政策金融公庫の保険の付保険のもと信用保証協会の借り換え保証を受ける信用力に応じた保証料率から約0.2%減じる。
9-3 深刻度が進んでいる―債権カットが必要だが法的手段に頼らない
(1)事業再生ADR
・産業活力再生法(2009)に基づき、事業再生実務者協会が受理する。 ・金融機関の同意と協力が必須である。 ・平成20年2月以降平成24年3月末までに、34件の申請があった(うち14件が上場企業案件)。このうち、6件が申請取下げ、3件が手続途中で打切りとなったが、大半の案件が事業再生計画案の合意に至っている。
エルピーダメモリーは申請したが不成立で、会社更生となる。
・2013年11月26日、国内ジーンズ最大手、「EDWIN」ブランドで有名な(株)エドウイン(資本金5600万円)が、グループ会社16社と共に、事業再生実務者協会に対し事業再生ADR手続きの利用を申請した。
(2)中小企業再生支援協議会案件―第二会社方式
・認定支援機関が立案することが必要。 ・第二会社に事業を移し、旧会社は清算(特別清算)する。
第二会社は、資本性融資、ファンドの支援、M&Aなどで支援が必要。
債権放棄に無税償却がある。
・金融機関が債務免除できることがポイントである。しかし、銀行が了解しないと使えない制度である。
(3)M&Aの活用
  1. 債務超過が軽度であれば、M&Aで資金提供する。
    設備投資、多角化、マーケティング、海外展開により、利益を増強する。
    ・債務超過が深刻なときは、債権カットが必要である。協議会案件、債権買い取り、特定調停、民事再生との組み合わせで実行する。 ・債務免除益への課税に注意を要する。 ・競売が進んでいる時は、特定調停で止める(保全処分)。 ・キャッシュフローが間に合わない時、民事再生を申し立て弁済禁止の仮処分を得る。

  2. M&Aの活用  ・後継者がいないときは、M&Aを考えるべきである。 ・スキームは、中小企業では、株式買取か事業譲渡が中心、合併等会社法上の手続は少ない。 ・株主に一部反対者がいるが、特別決議(3分の2以上の賛成)が可能な時は会社法上の株式移転、株式交換、会社分割を利用(反対者は、株式買い取り請求可能)。 ・経営者が残るパターンと、去るパターンがある。 ・役員や従業員が事業と共に独立するMBOがある。スポンサーが必要なこと多い。
(4)会社分割も使える!
・金融債務を残し、営業資産のみを切り離す方法は、詐害行為で無効とされる。24年10月最高裁判決)。銀行が了承するスキームが必要である。 ・事業を切り分け、効率化を図る。さらにスポンサーを得られれば、効果的である。 ・M&Aで、分割対象会社の株式を買い取るスキームは効果的である。
(5)債権買取という裏ワザ!
  1. スポンサー(M&Aの買い手、ファンド、投資家など)が不良債権(金融債権が普通。取引債権もある)を安く買う。保証や抵当権付き―サービサーを介することが多い。一種のM&Aである。   ・個人保証も解決できる。 ・不動産がある時は、不動産価格を基準に買い取りをする。ゴルフ場の買収で活用されたが、一般のケースでも可能である。 ・債権カットで債務免除益を回避できない時も使う手段である。 ・実際は、金融機関から一旦サービサーが買い取り、それから転売を受けることが普通である。

  2. 再生ファンドのスキーム ・民間や自治体に、再生ファンドが増加している。 ・債権買取に融資等を組み合わせるのが基本的なスキームである。 ・活用すべき効果的なスキームが多数開発されており、中小企業は大いに活用すべきであるが、その際専門家の支援は必須である。 ・次のステップとして、M&Aの活用も効果的である。
    <スキーム例>サービサーのリースバック方式(不動産のある場合)
    オーバーローン不動産をサービサーが買い取り、債務者に賃貸する。この時点で、債務免除して債権圧縮。債務者は新会社を設立し、旧会社は清算する。事業が安定したら、債務者は不動産の買い戻しをする。
    (債務者において、債務免除による譲渡益の課税はない。)
9-4 深刻度が高度―法的手段を使う企業再生
(1)民事再生を使わない法的再生
  1. 特定調停の利用
    ・簡易裁判所に申し立てる。但し、地方裁判所も可能である。 ・相手を金融機関のみとし、取引先を巻きこまないことが可能である。
    従って、民事再生と違い、取引先の支払いを継続できるだけ、キャッシュフローにゆとりが必要である。
    ・民事再生と違い、世間的には倒産扱いをされない。 ・保全命令で、競売を止めることが可能である。・民事再生と比べ、手続きが自由である。
    失敗しても取り下げればよく、破産移行を強制されない。
    ・金融機関は、この手続きは債権カットが可能である。

  2. 特別清算の利用
    ・債権者が債権カットに同意し、清算結果債務が残らない場合に使える ・金融機関も、この手続きで債務免除可能である。
10 最後は破産―失敗をチャンスに!
・民事再生でも再生困難であれば、破産で清算せざるを得ない。 ・破産手続きは、裁判所が選任した破産管財人により、清算がおこなわれる。 ・担保権は、別除権として、破産手続きとは別に実行されることとなる。ただし、不動産の場合は、破産管財人により、任意売却されるのが原則である。 ・現実の破産事件では、配当率はよくても数パーセントというのが実情で、配当財源が無く、異時廃止で終了することが多いというのが実情である。
11 社長の個人保証の解決は重要
・会社が再生しても、破産で清算しても、社長の個人保証は、会社の手続きとは別で、残ってしまう。 ・自己破産すれば、債務は免責されるが、財産も失ってしまう(年金や家財道具は対象外である)。 ・自宅を、管財人から親戚、知人に買ってもらうという手段がある。 ・M&A等の交渉で債権者と解決を図る場合は、その中で個人保証の免責を得ることも可能となる。債権買い取りという解決法は、スポンサーに個人保証まで買ってもらうため、個人保証の解決としては、極めて効果的である。 ・自己破産しても、開始決定後の収入(給料、顧問料等の定期収入)は自由財産となり、破産財団に組み入れられることはないので、全額を自由に使える。
債務の免責と共に復権を得ることができるので、会社役員になることもできるようになる。
・早めに破産を申し立て、開始決定後縁故のある会社で顧問料を得ながら充電して、早めに再挑戦するのが効果的な一手段であろう。
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